IR候補地はいったいどこになるのでしょうか?
コロナの影響もあり、日本のカジノ解禁にはもう少し時間がかかりそうですが、一体「どこにカジノができるのか」が気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここではカジノ誘致に名乗りを上げている自治体や期待されている自治体など、注目の有力候補地の最新情報をお届けします。
IR候補地:和歌山
地方博成功の実績を活かし、大阪と並んでIR誘致を目指す
和歌山は昔からカジノ誘致に最も積極的な自治体の1つで、2004年からカジノ誘致に取り組んできました。
しかし最有力とも言われる大阪と立地が近く、都市規模や期待できる経済効果を考えると、どうしても陰に隠れてしまいがちなのが現状。
そこで和歌山は「IRが近隣に2つ存在する」ことによる相乗効果を狙って、大阪と合わせたIR誘致を狙っていく方針を掲げています。
2つのIRが近隣にあることによるメリットはシンガポールなどで前例が示されており、バリエール、ブルームベリー、サンシティといったIR事業者からも好感触。業界の間でも有力候補に数えられることもあり、今後の動向が見逃せない自治体の一つです。
一見デメリットにも見える状況を逆手に取った作戦は功を奏すのでしょうか。
強み
- 既に完成したリゾートとインフラがあり、初期投資が少なく済む
- 関西国際空港から車で45分と好アクセス
課題・問題点
- 近接する大阪に比べ規模が劣る
IR候補地:愛知(常滑)
一度は頓挫したリゾート構想。県の協力で実現できるか
愛知県では、現在県と市が別々の箇所への誘致を表明しているという状態になっています。
愛知県は常滑市の中部国際空港(セントレア)島への誘致を検討しており、2019年に開業予定の国際展示場との相乗効果を目指しています。
積極的な姿勢を見せているのは主に常滑商工会議所で、県が常滑への誘致を掲げる背景には、かつてりんくう常滑駅を中心にしたIR構想の中断を余儀なくされた常滑商工会議所によって要望が提出されたという経緯があります。
IR誘致のための有識者研究会による調査や、IR整備費用やギャンブル依存症対策費用を予算として計上。
一方で、知事選にて3選を果たした大村知事は公約にIR誘致を出さないなど、現在は比較的慎重な姿勢を保っています。
- 空港から直接アクセスできる利便性
- 空港島が本土から離れているため、治安悪化を防げる
課題・問題点
- 現時点でも混雑していると言われる島や周辺の混雑・交通状況の悪化
IR候補地:愛知(名古屋)
愛知県VS名古屋市!誘致バトルはどこに向かう?
愛知県と名古屋市は、県内へのIR誘致を巡るライバル関係。
県が中部国際空港島へ誘致を働き掛けるのに対して、名古屋市は市内への誘致を主張しており、お互いに譲る姿勢はない様子です。
名古屋市の河村たかし市長は、現在は候補地を名古屋市中心部、名古屋港周辺に絞って検討中。
具体的には金城ふ頭周辺などを候補として挙げています。
ただしまだ候補地を絞り切れていない段階で、他の自治体と比べるとスタートが出遅れている感も否めません。
強み
- 大阪、東京という大都市の間に位置する立地
課題・問題点
- 愛知県が掲げる中部国際空港への誘致と対立状態
IR候補地:東京(台場)
長年の沈黙を破り「お台場カジノ構想」ようやく再始動?
日本一の大都市である東京は当初、「お台場カジノ構想」を掲げて誘致に積極的でした。
しかし度重なる知事の交代や、会場候補地が売却されたことなどから、一旦計画は白紙状態に。
そんな不遇の期間を経て今、新たに臨海副都心の開発計画「東京ベイエリアビジョン」にて、IR誘致の復活の兆しを見せ始めています。
ようやくIRに関する明確な記述が出てきたものの、大阪・和歌山・長崎の先導グループが2024年の開業を目指していることを踏まえると、スピード感としては劣り気味。
第二段以降の開業となる可能性も考えられます。
強み
- 国内最大の都市規模と経済効果
課題・問題点
- 慎重な姿勢で積極派の自治体と比べるとスピードで劣る
IR誘致を見送った候補地
今回の誘致は一度見送った候補地もあります。
コロナの影響もあり見送ることしかできなかった場合もありますが、今後さらに誘致に向けて動く可能性もあるかもしれません。
IR見送りになった候補地:北海道(苫小牧)
海外IR事業者が事務所を構えるなど、IR誘致に関連して様々な動きを見せていた苫小牧ですが、環境問題や住民の反対等の問題から議会の意思を統一することができず、2019年11月29日、IR誘致を見送る方針が発表されました。
将来的な開業を目指して検討を続けるべきという声もあり、海外事業者も継続して苫小牧に注視していくとしています。
また鈴木知事は、優先候補地としていた苫小牧で環境面で大きな問題が挙がったことから、今後申請機会があった場合は苫小牧に限らず候補地を検討していきたいとコメントしています。
IR見送りになった候補地:北海道(留寿都)
留寿都村は苫小牧と別に独自の誘致を進めていましたが、道の意向として誘致が見送りになったため、同時に断念せざるを得ない状況となりました。
留寿都村への誘致を巡っては国会議員や、開発を予定していた加森観光の会長が贈賄・収賄に関与していた一件があり、次回誘致に再参戦する場合は仕切り直しとなることも考えられます。
IR見送りになった候補地:千葉(幕張)
千葉市・幕張は幕張新都心の活性化を目的としてIR誘致を視野に入れていました。
民間団体や企業からの要請を受け調査を行った結果、「幕張新都心で十分IRが成立し得る」と本格的な検討段階に入ったものの、台風や大雨などの災害復興を優先するため十分な時間を取ることができず、2020年1月7日にIR誘致の見送りが正式発表されました。
一旦見送りとなったものの、幕張新都心の発展は今後も市にとって不可欠。活性化のための戦略はIRも含めて引き続き研究していきたいとしています。
こうしてみるだけで沢山の候補地が名乗りを上げていることが分かります。
その背景には少子高齢化問題と経済を活発化が各自治体でも急務になっていることが挙げられます。
今後の動向にますます注目していきましょう。